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2015.03.20 (Fri)

「戦後70年と日本の家電」

先日大手新聞社から「戦後70年と日本の家電」についての取材をうけました。記事に関しては今ここでは書けませんが、思えば私がプロダクトデザインの現場に立ってもう四十数年になります。取材の後思ったのが、今となっては誰も書けないし、誰も書かない、そんな事もこのデザウマで書けたらいいなと思いました。

昨日の発表でパナソニックの子会社として残っていた三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社がファンド系会社に売却されてサンヨー電機という会社は名実ともに消滅しました。私はサンヨーと言えば一人暮らし向け家電「it'sシリーズ」 が忘れられません。このブルーグレーに白文字のロゴでした。
sanyoのits_0

1978年に松下電器から「新婚層向けに家電をセット販売する商品企画」の依頼がありました。実はそのテーマは表向きで、プロジェクトメンバー内では「寿家電だから、値引きなしで売れる商品」でした。プロジェクト名が「エクラ」と命名されスタートして、私を含めたプロジェクトチームの出した答えが、クロームメタリック仕上げと黒のコンビでした。

発売が決まると当時の販売部門から、「エクラ」ではオシャレ過ぎて分からんと言われて、チームがひねり出したブランドネームが「メタルシティ」でした。モデルが出来上がって上層部にプレゼンすると、「これは行ける。」となって調理家電だけだったのが、洗濯機も暖房ストーブもと来たときにはみんなで頭を抱えました。

アイテムは炊飯器、トースター、オーブントースター、フライヤー、ホットプレート、コーヒーメーカー、コーヒーミル。Nationalメタルシティは思惑通りに、量販電気店で値引きなしで売れ続けて、数年間はSANYOの単身者向け「it'sシリーズ」と仲良く並んで春先の商品棚を飾っていました。

こちらがNational「メタルシティ」 トースター NT-T4C
メタルシティ01_880x660

以前デザウマで掃除機のダイソンを取り上げた時に、実は日本育ちだったダイソンの話を書きました。

1984年アメリカの「Product Design」という本に、当時若手だったジェームス・ダイソンの考案したピンク色の掃除機のコンセプトモデル写真が出ていて、それを見た日本の商社、エイペックス社長が一目惚れして製品化への資金を援助することとなり、ジェームズダイソンはエイペックスの社長が指定したシルバー精工社と一緒に製品化を進め、1987年に掃除機『G-Force』を完成させます。後の武藤のトラックドラフターが時代を表しています。ジェームズ・ダイソンが若いです。
ジェームス210181429c7d

史上初のサイクロン方式のクリーナーは小売価格33万8千円でしたが、バブル経済だった当時の日本市場は無名のイギリスの若者(ダイソンは当時29才)の夢を実現させます。
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これまでダイソンのニューモデルは日本で大々的な発表会を行ってきました。それは日本のマーケットが大きいという理由と日本で売れれば世界で売れるという信念だけではなく、日本人がG-Forceの開発を手助けし、日本人の消費者がG-Forceを購入したことへのダイソンの感謝の気持ちなのかも知れません。(その時にの購入家庭とシルバー精工開発担当の証言がありました。
この試験的モデルと言っていい、掃除機の日本市場での好評価で、ダイソンは起業して今日のDyson社を誕生させます。ダイソン自身がCMでその事を語っています。


ダイソンが再上陸して来た1990年に、日本の家電メーカーは「あんなもん売れん。」「エレクトロラクスも量販店は相手にせえへんかった。Dysonも相手にされへん。」という冷ややかな反応でした。

そして月日は流れ、ダイソンは高額で高性能で良質なデザインの掃除機と扇風機の会社となりました。欲しいけど高い、という家電製品では理想的なハイグレードな製品ポジションを獲得します。日本製の掃除機はどんぐりの背比べと値引き合戦の中で競争力を無くして行きます。

そして、アメリカのアイロボット社の掃除機ルンバが上陸してきて、また日本の家電メーカーは間違いを犯します。「あんなオモチャは売れへん。」あんなもん日本で出したら絶対にクレーマーの餌食やと.....。

●2009年7月にデザウマで紹介したiRobot社の「ルンバ」

今年2015年春の掃除機市場は日本メーカーによるルンバ型掃除機の花盛りです。

シャープココロボ RX-V200
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パナソニックロボット掃除機 MC-RS1
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東芝 トルネオ ロボ VC-RVD1
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Dyson社はロボット掃除機360 Eyeで後発参加になりましたが、ここでの直流サイクロンの勝負の行方はどうでしょうか。
2015年、68才になったSir ジェームズ・ダイソンです。
ジェームスdyson6260

このところ東芝 トルネオ ロボのテレビCMが良く流れますが、搭載しているバッテリーが3年も持つとうたっていますが、逆に3年しか持たないのかと思うのは私だけか。

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