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2009.12.09 (Wed)

木工作家 人間国宝の村山明さん

関西ローカルの午前の番組に「となりの人間国宝さん」てのがあるそうですが、
こちらの村山明さんは本物の人間国宝です。
05_ti.jpg

人間国宝と聞けば、気難しい人を連想します。他の方は知りませんが、
村山 明さんは尼崎市出身の気さくな方で、私の高校の時の恩師です。
私がデザイナーとなる下地をつくって頂いた方であり、
ものをつくる事の深さを今でも教わっています。

現在も、年に数度の人間国宝を囲む酒席があって、私も参加させて頂いています。
深いお話をベッタベタの尼崎弁で語られる豪快な方です。
今日はそんなベタな人間国宝のお話。

(e-Spirit PROFESSIONALから記事引用させていただきました)
文面は本人の語り口調になっています。(ちょっと長いです)
///////////////////////////////////////////////////////////////
『つくるということ』

職人さんの場合やったら作る。
僕らは創造の創で創(つく)るっていう言い方をするわな。
職人さんは「同じものをいかに手早くできるか」っていうことが、
仕事ってことになるわけや。それもどんどん変わっていって、
いろんな技術を身につけて、手仕事というようなことでやっている。

今は機械が代行するようになっているからね。
ハンドじゃなしに据え付けの大きな機械が、そういうものを全部代行して、
きれいに削るようになるし、幅のごっつい物も削れるようになっている。
だけど仕事としてのきれいさだけで競うと、絶対マシンのほうが負けるわな。
murayama.jpg

人間がなんで手仕事を必要とするかっていうと、
機械はやっぱり工業として成り立つわけやけど、
ただ木というものは絶対『工業』という言葉でかたづけてはいけないと思う。
いつどこでひん曲がるやら、割れるやらというのが木にはあるから、
人が板の部分を選択しなきゃいけないな。選ばないかん。
欅拭漆盆

機械の場合、一方から入れたら必ず同じもんが出てくる。
この木が生きているか死んでいるか別にしても、
変化するものに対して無理な注文だと思うわな。

今の時代。量産というのは木に対して実に失礼なやり方だと思う。
この木だとすごく長いこと生きている木。
そんな木を勝手に人間の都合で邪魔になるからって切り倒して、
きれいな木が出そうやからって何百万もして売って、利益としてとって、
僕らもその下のモノを買うてきて使うてるんやけんど、
実際、この木にとっては、そこにおったらもっとずっと死ぬまで長生きできるやんか。

欅拭漆飾棚
10.3cm×33.5cm×83cm
欅拭漆飾棚

なんかのはずみで切られてかわいそうにって思う。
せめて創り手が上手く創ることができれば、人に長いこと使ってもらえて、
この木だって長く生きることができるやん。

『良い仕事をするとは』

僕らも最初、プロになるまで何させられた言うたら、
1週間ビッタリ1日8時間ひたすら刃物を研いでいた。

要は基礎やね。例えばカンナ研ぐ時、この通りスッと動く。
手が決まんねん、これ。
砥石の上でな。これができなかったら仕事がでけへんのや。
05_img_03.jpg

そういうとこは、きちっとせなアカン。
切ったり貼ったり削ったりはその辺の人でもできる。大切なのは基礎やね。
技・技術もある程度は教わるけどそこから先は自分で見つけなアカン。

苔の一念のように仕事をすることやな。
もしほんとにその仕事をしたけりゃ、ずっと続けることも大事やろと思うわ。

仕事が忙しい、忙しいって言うてる時は、実は忙しくない。
本当に余裕がなくなったら、そんなこと言うてられへん。
そういう体験を実はもっとせなあかんと思う。

欅拭漆厨子
43cm×43cm×33.6cm
欅拭漆厨子

6ヶ月徹夜続きとか。徹夜続きで、ただし時間があったら、
昼だろうと夜だろうと時間があったら寝れる時間に寝る。
そういうことを3ヶ月や6ヶ月続ける。
自分の限界がどんなとこにあるのかという体験をしなくちゃいけない。
それが今の時代に必要なことやと思う。

『本当の豊かさって』

人の気持ちの中でどのように生きていくかってことやな。
創り手はそれを見越さないといけない。
一年経ったら「こんなん、いやや。持ちたくないわ」ってものを作ってはいけないし。

100年ぐらい、その人に持ってもらいたい。
その人が100歳まで生きるかどうかっというのは別にしても。
そういうつもりでものを作っていかないと。
05_img_01.jpg

「お互い」ってことは、
同じ権利を持っているということを認めないといけないということ。
自由であるっていうことも。実は息をすることでさえほんとは自由じゃないねんな。
お互いに空気の汚し合いしてんやから。

自分一人で生きるんやない。いろんな人がいっぱいいて同じ権利を持って、
同じ喧嘩をしながら同じところにいるっていうことやな。

欅拭漆盤
40.0cm×37.5cm×4.8cm
欅拭漆盤
仕事するっていうのも、ある意味、他人のために仕事をするべきであって、
自分のためにするものではない。

それのほうが本来、長続きする仕事やと思うな。
自分は作るだけ。これを使ってくれる人があったら、
その人が喜んでくれるかどうかっていうことを先に考えたほうがいい。
そうでないと仕事は常に変化を望むんだけど、めまぐるしい変化になりすぎる。
/////////////////////////////////////////////////////////////////

村山 明 氏

1944年兵庫県尼崎市生まれ。
1966年京都市立美術大学彫刻科卒業、黒田辰秋に師事。
1970年第17回日本伝統工芸展で朝日新聞社賞受賞。
1971年(社)日本工芸会正会員。
1972年第1回伝統工芸木竹新作展で東京都教育委員会賞受賞。
1973年第2回伝統工芸近畿展で松下賞受賞。
1975年第4回伝統工芸近畿展で京都府教育委員会賞受賞。
1984年阪急梅田本店にて個展、東京日本橋三越と共に個展多数。
1991年NHK「工房探訪・つくる~美の匠」放映、出版。
1992年第21回日本伝統工芸近畿展で日本伝統工芸近畿展受賞。
1995年ビクトリア&アルバート王立博物館にてワークショップを行う。
1996年京都府指定無形文化財(木工芸)認定。
2003年重要無形文化財(木工芸)保持者認定。
2004年京都府文化賞功労賞受賞。
2005年 紫綬褒章受章。
現在、(社)日本工芸会参与。

氏の作品はこちらの社団法人日本工芸会から見ることがでます。

どうぞ、人間国宝の村山明さんに拍手を!
私にもブログランキングのボタンを押して頂けたらうれしいです。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術


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RollsRoyceのウッドパネルのニスが剥げた

英国車コレクターだった友人から譲り受けた古い
Rolls-Royceのウッドパネルのニスが日本の風土
に合わず剥げたので、剥げない漆仕上げにして戴き
ました。

伝家の刀並みに子孫に伝えなければ・・・

純正仕上げにすべきだと・・RR社に提言しております。
AriStoCraZy |  2012.05.08(火) 09:16 | URL |  【編集】

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